4.4 障害者年金で入れる高齢者住宅はなぜ少ないのか 参考文献1)

日本において障害者年金で入居できる高齢者住宅が少ない理由を考えてみた。

1. 需要と供給のバランスの問題: 高齢者住宅は、高齢者や障害者の需要に応えるために提供されるものですが、障害者年金を受給する高齢者の数が限られているため、需要が比較的少ない場合があります。そのため、市場の規模が小さいことから、開発業者や運営事業者にとって経済的に魅力のある投資対象ではない場合が存在する。


2. 建築基準や法的制約: 高齢者住宅は、高齢者の生活をサポートするために特別な設計や施設が必要です。しかし、建築基準や法的制約により、高齢者や障害者のニーズに適した施設を建設することが困難な場合があり、例えば、バリアフリーの設計や設備、高齢者の身体的な制約に対応した施設などが必要ですが、これらの要件を満たすことは費用や規制上の制約があるため難しい場合がある。


3. 社会的な認識と意識の問題: 高齢者や障害者の福祉に対する社会的な認識や意識の向上が必要です。高齢者住宅の需要が増えるにつれ、障害者年金で入居できる施設の需要も増える可能性がありますが、まだまだ社会的な認識や意識の改善が必要です。また、高齢者住宅の需要が他の形態の住宅よりも高い場合でも、障害者年金を受給する高齢者の数が限られているため、市場のニーズを満たすだけの供給が難しいという現実もある。

これらの要因が重なり合って、障害者年金で入居できる高齢者住宅が少ない状況が生じている可能性が大いにあるように思う。ただし、最近では高齢障害者の福祉に対する関心が以前より高まりつつあり、当事者、家族として行政に対しより費用が低く、尚かつ、福祉の品質が保たれた多様な選択肢を求める機会をつくらなければならない。