「ほんとうのきょうだいになるとは」
伊丹きょうだい会
平成28年5月 亀田 周治
私の姉は現在、伊丹市西野にある生活ホ-ムに住んでおり、昼間はB型就労
施設 くすのきで作業しています。
姉は昔から、弟の私の事を「しゅうくん」と呼びます。
姉は中学生半ばの頃から軽い知的障害の兆候が見られるようになったのです。
父親は、できれば普通の高校に進学させたかった事もあり、何度も明石市に
ある知的障害者の相談所に足を運んだ様ですが、最終的に明石の相談所の先生
が本人にとっては、障害者施設の方に進んだほうがよいというアドバイスを受け、
今日に至っています。
正直、弟の私が姉の事を考える様になったのは、両親が他界してからです。
私自身は30代で結婚しそれを機会に両親と障害を持った姉とは、別に世帯を
構える様になったのです。結婚してからは仕事も忙しい事から自分達中心の
生活となり、母親の家にはたまにしか行かなくなり、姉の学園での生活ぶり等
も含め、姉に無関心な自分になっていきました。
私に転機が訪れたのは、平成19年5月22日、病気療養中の母親が亡くなった時でした。
(父親はそれより前に他界)
それまでは、姉の事は両親」まかせで、自分には直接関係ないというスタンス
だったのでこれから残された姉をどうしてあげたらいいかという事で悩みました。
市役所や姉の通っている学園に赴き、相談しましたが、なかなか姉の居場所は見つかりませんでした。
そんな折、育成会の会長から7月からNPOが運営する「生活ホーム」を紹介してもらい幸運に無事入所出来ました。その時の喜びは私自身にとってほっとした気持ちもあり、大変なものでした。
これを契機として今後、私は障害を持った姉をどの様にフォローしてあげるべ
きかを自分なりに考えるようになっていく事で、姉と私は本当のきょうだいに
なれたように感じたものでした。
知的障害のきょうだいを持っているという劣等感、真正面から姉を受け入れ
なかった自分が嘘のようです。
姉はB型就労施設「くすのき」でおこなっている作業が大変好きで、姉と会っ
た時の話題は大半が自分がした作業内容の話で、楽しそうに話しをする姉を見
ていたらこちらまで嬉しくなります。これからもホ-ムの職員さんや
「くすのき」の先生方に見守られ、今の生活を続けていってほしいと願って
います。
姉も高齢知的障害者になっているので、「終の住処」を見てけてあげる事が弟
である自分の宿題と思っています。
姉に、は周囲の支援者の方々への感謝を忘れず、楽しい生活を送ってほしいと
思います。
下の写真は、姉と和歌山旅行した時(平成28年)